一般社団法人UXインテリジェンス協会(UXIA)は、生成AI時代におけるUXの役割を整理した基本ステートメント「AI時代に必須となるUXの能力・人材・組織とは」を公開しました。生成AIの急速な普及に伴い、企画やデザイン、システム開発など多くの領域で「作る」ハードルが低下する一方、AIを導入しても継続的に使われない、現場に定着しないといった課題が顕在化しています。
AIの「機能実装」だけでは不十分、体験設計が不可欠

本ステートメントでは、AIの価値が機能実装だけでは成立しないと指摘しています。利用者がどのような状況でAIに出会い、何を期待し、どのように使い、どこで信頼するのか、さらには人間が判断・介入する場面までを含めた全体的な体験設計が不可欠だと提言しています。
AIが「継続的に使われない」「投資に見合わない」といった課題の根本原因は、AI自体の性能不足ではなく、人間や組織の文脈の中で、価値ある体験として設計されていないことにあるのです。
企業に求められる4つの能力
UXIAは、AI時代に企業や組織に求められる能力として以下の4つを提示しています:
- ユーザー視点での体験理解力:利用者の実際のニーズや課題を深く理解する能力
- 体験構造化力:複雑なAIの機能を体験として設計・整理する能力
- 体験品質ディレクション力:AIを組み込んだサービス全体の品質を統括する能力
- 高速回転力:変化の速い市場に適応するための迅速な改善サイクル
同協会は、AIを単なる効率化や自動化の技術ではなく、人間や社会にとって意味ある体験を生み出すための技術として捉える方針を示しています。今後は、本ステートメントの内容をUX検定(基礎)のシラバスに反映し、AI時代に求められるUXリテラシーの普及に注力していく方針です。
2026年にAgentic AI時代のカンファレンス開催
さらに同協会は、AIが自律的に行動・連携する「Agentic AI(AIエージェント)」の台頭を見据え、2026年7月14日(火)に特別カンファレンスを開催することを決定しました。テーマは「Agentic AI時代のUXデザイン会議」で、第一線で活躍する企業や有識者を招き、生成AIを価値ある体験へと転換するための組織戦略や実践知について掘り下げます。
UXIAは2021年5月に設立され、現在41社の企業会員で構成されています。「先進事例研究分科会」「UX組織開発分科会」「生成AI×UX実践研究会」など4つの分科会を通じ、DX推進企業の具体的な課題解決に向けた研究活動を展開しています。
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