自動運転やロボットなどのフィジカルAI領域で、AIシステムの安全性と説明責任を担保する基盤を開発する株式会社イミロンが、プレシリーズAラウンドで総額1.4億円の資金調達を実施した。リード投資家はDG Daiwa Ventures(DGDV)で、三菱UFJキャピタルとごうぎんキャピタルも引受先に名を連ねる。
AIシステム開発の品質保証を刷新

自動運転や医療機器、ロボティクスといったミッションクリティカル領域では、AIがハルシネーション(幻覚)を起こすことは許されない。イミロンが直視する課題は、「デプロイメント・ギャップ」——従来の曖昧な自然言語仕様書では、設計と実装の間に齟齬が生まれるという構造的問題だ。
AIシステムの予測困難性(統計的性質)下では、これまで以上に「仕様の明確化」が品質と説明責任の両面で重要になる。イミロンは、数理論理学に基づいた形式手法を用いて、この問題に正面から取り組む。
世界トップクラスの研究者チームが主導
同社は、豊田中央研究所やデンソー出身の足立正和CEOを中心に、国立情報学研究所教授で「JST ERATO蓮尾メタ数理システムデザインプロジェクト」研究総括の蓮尾一郎CSO、インペリアル・カレッジ・ロンドンやオックスフォード大学出身のJames Haydon CTOら、世界トップレベルの数理論理学・形式手法の専門家で構成されている。
同社が開発する『SpecForge』は、次世代AIシステム検証プラットフォーム。独自開発の言語「Lilo」とLLMの支援で、習熟が困難だった形式仕様記述を民主化する。論理的で矛盾のない仕様は、設計品質の向上だけでなく、運用時の振る舞いを自動検証する監視ルールとしても機能する。設計から実装、運用、改善に至るまで一貫した品質保証を実現する「SpecDevOps」を目指している。
投資家の評価——自動運転業界の必要不可欠なインフラへ
DG Daiwa Venturesは、自動運転領域での実走行テストやシミュレーションのみでは安全性を担保できない現状を指摘。設計段階から形式手法を活用する検証アプローチの重要性が世界的に高まる中、イミロンの技術が業界全体を支える不可欠なインフラになっていくと評価している。
三菱UFJキャピタルも、「曖昧な仕様書×複雑化するシステム開発」という構造的課題を解決する点で同社の独自性を高く評価。ごうぎんキャピタルは、開発期間の大幅短縮を可能にする技術が、日本政府の「17の重点分野」を支える革新的技術になると確信し、地域ネットワークを活用した支援を表明している。
調達資金は、グローバルトップティアのエンジニア採用強化と『SpecForge』の研究開発・事業展開に充てられる予定。同プラットフォームは「EdgeTech+ AWARD 2025」でAI設計支援優秀賞を受賞するなど、業界からの期待も高まっている。
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