腸内細菌研究に基づいた医療・創薬を推進するメタジェンセラピューティクスは、シリーズBエクステンションラウンドのファーストクローズで、北海道大学および名古屋大学関連の2つの大学ファンドから総額1.9億円の資金調達を実施した。これにより累計調達額は68.4億円となり、日本発の腸内細菌医療を世界に展開する基盤が整いつつある。
腸内細菌叢移植(FMT)医療の臨床成果

同社は潰瘍性大腸炎などの難病やがん治療に向け、腸内細菌叢移植(FMT)の医療技術開発と医薬品開発に並行して取り組んでいる。医療技術では、潰瘍性大腸炎を対象とした「抗菌薬併用腸内細菌叢移植療法」の先進医療Bで寛解導入率45.9%を達成。重篤な有害事象は認められず、有効性と安全性が示唆された結果が得られている。
一方、医薬品開発では2026年5月から潰瘍性大腸炎を対象とした「経口FMT医薬品」について日本および米国での第1相/第2相臨床試験を開始。山形県鶴岡市に開設した日本初の献便施設「つるおか献便ルーム」を拠点に、医薬品の原材料となる便の安定調達体制を構築している。
大学連携強化による事業加速
今回の資金調達は、北海道大学Green Frontier Fund1号と東海研究開発1号投資事業有限責任組合(名古屋大学・岐阜大学関連)からの出資。代表取締役社長CEO・中原拓氏は北海道大学農学部、名古屋大学大学院理学研究科、北海道大学大学院理学研究科の出身であり、両大学との研究協力体制の強化が実現する。
調達資金はFMT医薬品MGT-006の臨床開発推進、潰瘍性大腸炎・消化器がん・パーキンソン病を対象とした医療技術の臨床開発、ドナー便調達とサプライチェーン最適化に充当される。
投資家評価と将来展望
北海道大学Green Frontierファンドの中島徹氏は「新たに北大と協定を結んで立ち上げたファンドの1号出資案件」と位置づけ、同社への期待を表明。東海研究開発1号の朝倉純希氏も「独自の献便基盤と医療・創薬の統合モデルは、医療現場に新たな選択肢をもたらす」とコメントしている。
同社の累計調達額68.4億円のうち、既に交付決定済みの額については元記事で明記されていない。AMED(創薬ベンチャーエコシステム強化事業)からはステージゲート3以降の交付予定額として56.3億円が見込まれている。アカデミアとの連携を通じた科学的知見の蓄積と、研究成果の社会実装が、日本発の腸内細菌医療を世界に届けるカギとなる。
詳細は以下よりご確認ください。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000059.000075935.html
